Editorial
安全・防災 / 誤飲・窒息
子どもの誤飲・窒息を防ぐために家庭で確認したいこと|食べ物・おもちゃ・薬の置き場所を見直そう
子どもは身近な食べ物やおもちゃ、薬、磁石などを誤って口に入れることがあります。家庭内で特に注意したいもの、食事中の窒息予防、置き場所の見直し、万一のときの備えを整理します。

子どもの誤飲・窒息を防ぐために家庭で確認したいこと
子どもが小さいうちは、
「少し目を離しただけ」
「そこまでは手が届かないと思っていた」
「これくらい小さく切れば大丈夫だと思った」
という場面で事故が起こることがあります。
特に乳幼児は、身の回りの物を口に入れて確かめることがあります。
こども家庭庁は、食品だけでなく、ボタン電池、磁石、吸水樹脂ボール、おもちゃの部品などによる誤飲・窒息事故に注意を呼びかけています。日本の CFA
大切なのは、
「危険な物を教えれば大丈夫」ではなく、子どもが触れられない環境を先につくること
です。
誤飲と窒息は同じではない
まず、言葉を分けて考えると整理しやすくなります。
誤飲
食べ物ではない物を誤って飲み込むこと。
例えば、
• 薬
• ボタン電池
• 磁石
• おもちゃの部品
• シール
• 小さな包装フィルム
などです。
窒息
食べ物や異物が気道をふさぎ、呼吸できなくなる状態です。
窒息は短時間で重篤化する可能性があります。
消費者庁も、子どもの気道閉塞は短時間で重症化することがあるとして、乳幼児の異物除去方法を学ぶ救命講習の受講を勧めています。
食べ物による窒息に注意
誤飲事故というとおもちゃを想像しやすいですが、食べ物による窒息も重要な事故原因です。
消費者庁は、食品による窒息・誤嚥事故について特に乳幼児へ注意を呼びかけています。
特に注意したい食品
例えば、
• 豆
• ナッツ
• ブドウ
• ミニトマト
• 固い食材
• 丸くてつるっとした食品
• 噛み切りにくい食品
などです。
消費者庁は、硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないよう注意喚起しています。小さく砕いても気管へ入る危険があります。
また、ブドウやミニトマトなどの球状食品は、乳幼児には4等分する、柔らかく調理するなどの工夫が示されています。
食事中の姿勢も重要
食べ物の種類だけでなく、食べ方にも注意が必要です。
消費者庁は、
• 姿勢を良くする
• 食べることに集中する
• 食べ物を口に入れたまま走らない
• 笑ったり泣いたりしながら食べない
といった注意点を示しています。
家庭でできること
• 座って食べる
• 遊びながら食べない
• 歩き食べを避ける
• 小さな子どもだけで食べさせない
• 年齢に合った大きさ・柔らかさにする
などを意識します。
おもちゃは「対象年齢」だけでなく部品も確認
子ども用のおもちゃでも、部品が外れると誤飲につながることがあります。
消費者庁には、
• ビー玉
• おはじき
• おもちゃの部品
• 磁石
などを誤飲した事故が報告されています。
確認したいこと
• 部品が外れかけていないか
• 破損していないか
• 小さな付属品がないか
• 兄や姉のおもちゃが下の子の手に届いていないか
• 対象年齢を守っているか
「上の子には安全」でも、下の子には危険な場合があります。
磁石は特に注意
強力な磁石を複数飲み込むと、体内で磁石同士が引き合い、腸壁を挟むことがあります。
その結果、
• 腸閉塞
• 消化管穿孔
• 手術
が必要になるケースがあります。
磁石は、
見えない場所・届かない場所へ保管
することが重要です。
吸水樹脂ボールも注意
水を吸って膨らむタイプの小さなボール状製品も、誤飲すると体内で膨らみ、腸閉塞などにつながる可能性があります。
こども家庭庁・消費者庁も注意を呼びかけています。
見た目がカラフルで、小さな子どもが興味を持ちやすいため、保管場所には特に注意が必要です。
薬は「高い場所」だけでは不十分
医薬品の誤飲事故もあります。
消費者庁の事故調査では、子どもが手を伸ばせば届く位置に置かれていた薬を誤飲し、重篤な中毒を起こした事例も報告されています。
家庭での対策
• 子どもが見えない場所
• 手が届かない場所
• できれば施錠できる収納
• 使用後すぐ元へ戻す
を基本にします。
RaiFamからのポイント
「1mくらいの高さなら大丈夫」と思わず、
椅子を使う、よじ登る、手を伸ばす
ことまで想定して保管するのが安全です。
シールや包装フィルムも侮らない
誤飲事故は硬い物だけではありません。
消費者庁では、シールや包装フィルムなどを誤飲し、喉の奥に張り付いた事例も報告されています。
小さく薄いものは、
• 床に落ちても気づきにくい
• 子どもが簡単につまめる
• 口に入れやすい
という特徴があります。
お菓子の包装やラベルを開けた後は、すぐ捨てる習慣も予防につながります。
床の高さから家を見てみる
大人の目線では見つからない危険があります。
一度、
子どもの目線までしゃがんで部屋を見る
と、
• 床に落ちた薬
• 小さなおもちゃ
• コイン
• シール
• 電池
• ネジ
• 文具
• 兄弟の小物
などが見つかることがあります。
特に確認したい場所
• ソファの下
• テーブルの下
• ベッドの横
• テレビ台周辺
• 玄関
• バッグの中
• 上の子の学用品周辺
です。
寝る場所の窒息事故にも注意
こども家庭庁は、就寝中の窒息事故についても注意喚起しています。
特に乳児では、
• 柔らかい寝具
• 枕
• 掛け布団
• ぬいぐるみ
• スタイ
• 大人用ベッドと壁の隙間
などがリスクになる場合があります。
1歳になるまでは、寝かせる際はあお向けにし、硬めで平坦な寝具を使うことなどが案内されています。
「飲み込んだかも」と思ったら
誤飲した物によって対応は異なります。
特に、
• ボタン電池
• 磁石
• 薬
• 化学製品
などは、自己判断で様子を見続けないことが重要です。
何を飲み込んだか分かる場合は、パッケージや製品情報を手元に置き、医療機関や相談窓口へ連絡できるようにします。
窒息が疑われるときは緊急対応
もし子どもが、
• 声を出せない
• 咳ができない
• 呼吸できない
• 顔色が悪い
などの状態であれば、窒息の可能性があります。
消費者庁は、窒息時には一刻も早い対応が必要で、乳幼児では成人と異なる異物除去方法があるため、事前に救命講習等で学んでおくことを勧めています。
RaiFamからのポイント
事故が起きたその場で初めて方法を検索するのではなく、
平常時に一度、乳幼児の窒息時対応を学んでおく
ことが重要です。
RaiFamからの家庭チェック
食事
• 豆・ナッツ類を年齢に合わず与えていない
• 丸い食品をそのまま出していない
• 座って食べている
• 食事中に走り回っていない
おもちゃ
• 小さな部品がない
• 壊れていない
• 磁石が外れない
• 上の子のおもちゃが下の子に届かない
家の中
• 薬を手の届く場所に置いていない
• ボタン電池が放置されていない
• シール・包装が床に落ちていない
• 小銭・小物がない
寝る場所
• 顔の周りに物を置いていない
• 柔らかすぎる寝具を使っていない
• 隙間に挟まる危険がない
「触らないで」より先に環境を変える
小さな子どもに、
「危ないから触らないで」
と伝えることは大切です。
しかし、それだけで事故を防ぐのは難しいです。
子どもは成長とともに、
• 手が届く
• 登れる
• 引き出しを開けられる
• 小さな物を見つけられる
ようになります。
だからこそ、
子どもに我慢させるより、危険な物を先に移動する
という考え方が事故予防につながります。
まとめ
子どもの誤飲・窒息を防ぐためには、
• 食べ物の大きさと硬さ
• 食べ方
• おもちゃの部品
• 磁石
• 薬
• シール・包装
• 寝具
など、家庭内のさまざまな場所を確認する必要があります。
特別な道具だけでなく、
「子どもの目線で家を見る」
ことが最初の一歩です。
参考・出典
• こども家庭庁「窒息・誤飲事故」 日本の CFA
• 消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」 キャリア支援機構
• 消費者庁「子供による医薬品誤飲事故」 キャリア支援機構
• 消費者庁「誤飲による中毒事故を起こさないようにするために」 キャリア支援機構
• 消費者庁「子どもが窒息?!そのとき、あなたの応急手当が必要です!」 キャリア支援機構
• 消費者庁「磁石や吸水樹脂ボールの誤飲に注意」 キャリア支援機構
• 消費者庁「おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意」 キャリア支援機構
• 消費者庁「包装フィルムやシールなどの誤飲に注意」
